謎解きイベントまとめ第36回はこちらのイベント、というか書籍。
基本情報
「リアル脱出ゲーム」がミステリ小説のフォーマットになったという謳い文句で、どちらも好きな僕としては「これは読まないわけにはいかないでしょ! という1冊でしたので、もちろん購入。
どの章にも、物語の鍵となる「謎(パズル)」があります。
SCRAP出版公式サイトより
物語を読み込んで真実に気づけば、「謎」を正しく解くことができます。
そして「謎」を正しく解き明かせば、物語は驚くほどに姿を変えるでしょう。
上記の紹介文のとおり、この小説はそれぞれ繋がりのある複数の章から成り立っています。
そして、それぞれの章末に問題(謎解き)が用意されており、それを解くことでそれまで読んだ章の内容がガラリと変わるというのが特徴です。
ミステリ好きな人には、これだけの情報でもどういうトリックが使われているか何となく想像できてしまうかもしれません。
難易度
後半の章に行くに従って、謎解きというよりはミステリ小説で使われる叙述トリックに近付いていきます。
それもあってか、ミステリ好きな人には後半の章の謎は結構簡単に感じる(仕掛けに気付ける)のではないかなと思いましたね。
また、物語全体を通して仕込まれている謎についても同様で、僕の場合は確信とまではいかないまでも「こういう仕掛けがあるんだろうな」というのは薄々感じながら読み進めていました。
でも、そういう引っ掛かりを持てたというのはそれだけ読者に対してフェアに書かれていたということの裏返しでもありますね。
また、それぞれの謎にはヒントも用意されていますし、何なら解かずに読み進めるだけでもミステリ小説として十分に楽しめる内容となっています。
ストーリー・没入度
ストーリーはやや強引で現実味に欠けるところがあると感じました(まぁ、ミステリ小説に現実味を求めるのもどうかと思いますが)。
また、章ごとに謎があって、それを解かないと続きを読めない(いや、読めるんですけど、やっぱり謎を解いてからでないと読みたくないと思ってしまう)点が面白いところなのですが、一方で小説として見たときにそこで一旦話の流れが止まってしまうのがテンポの悪さとして感じられてしまうかなと思いましたね。
オススメ度
これまでも謎解き要素を盛り込んだリアル脱出ゲームブックは多数出ており、僕もその多くを楽しませていただきました
(あれ、よく考えたらそれらの感想はまとめてないな……)。
ただ、リアル脱出ゲームブックは最後まで読み切る(クリアする)までに結構な時間を要する「知力と体力を問われるゲーム」なんですよね(ちと大袈裟ですが、さらっと読めるものではありません)。
同じように小説の形式をとっている謎解き本としては「3人で読む推理小説 スカイホープ最後の飛行」もありますが、これは1人では読めない(1人でも読めないことはないと思いますが、面白みに欠ける)のでちょっとハードル高いんですよね。
その点、今回はゲームブックとは違う「ミステリ小説 × リアル脱出ゲーム(謎解き&どんでん返し)」の組み合わせで、比較的ライトにそれでいてしっかりとした驚きの要素を楽しめます。
また、1章当たりのページ数はそれほど多くはないので、章単位で読み進めていけば、普段読書をあまりしない人にもそこまで苦にはならないのではと思います。
そのため、リアル脱出ゲーム好きはもちろんのこと、リアル脱出ゲームに興味はあるけど謎解きはそこまでやったことがないという人にもオススメできる1冊だと思います。
まとめ
というわけで、今回は「リアル脱出ゲームノベル Four Eyes〜姿なき暗殺者からの脱出〜」の読後レビューでした。
最後にポイントをまとめておきたいと思います。
- 仕掛け自体はミステリ小説好きならある程度予測できてしまうかもだけど、1本のミステリ小説として楽しめる
- 謎解き要素が読書テンポを悪くしてしまうのは、仕方ないとは言え、ややマイナス点
- ライトにリアル脱出ゲームの要素(謎解き&クライマックスのどんでん返し)を体験できるため、リアル脱出ゲームの入り口にもオススメ
それでは、また!
他にもいろいろな謎解きイベントのレビュー記事を書いています!
もしご興味があれば、他の謎解きイベントレビュー記事も読んでいただけると感謝感激です!
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